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10 自分とトコトン付き合ってください
「私とあなたは、深い縁で結ばれている。」
そうかもしれません。あるいは、それは、単なる思い込みかもしれません。しかし、本当は、そのようなことはどうでもいいことです。深い縁であるかないかなど分からなくても、例えば、今、自分の身近にいる人達を通して、私は何を知っていけばいいのか、何に気付いていけばいいのかを考えていくことが大事なことなんです。そして、そこには、本当の世界を知り、本当の自分と出会うチャンスがあるだけです。だから、ありがたい人達なのです。唯一、自分の世界を見ることができるチャンスを作ってくれている人達なのです。それを、互いに、夫婦や親子などの形の世界での繋がりとしてしか見ることができなくて、しかも、そのような繋がりから心を離すことができないのは、大変残念なことだと思います。
肉体を持って存在している時間は、いつも、自分(偽物の自分)の世界から、自分(本物の自分)自身を自由に解き放していくことができるか、できないかの、二つに一つを選んでいく時間でした。
どんな人生にも分かれ道、つまり、岐路があります。過去は、ずっと、その分かれ道において、後者をみんな選んできました。自由になりたいと願いながら、自分(本物の自分)を小さな枠の中に押し込めてばかりでした。つまり、自分を形あるものだと思い続けてきたのです。私は自由だ、心は自由だと叫んでみても、自由の意味を履き違えてきたのでしょう。
しっかりと自分を見つめていく目を持ちましょう。真実だけをどこまでも追究していく目は大変厳しいけれど、大変優しいのです。どの人の心の中にも、その目はあります。
その目を、真っすぐにとらえて、何をするために、この世に出てきたのか、自分の中をはっきりとさせることです。
仮に今、財を築いて名を残したい、自分の生きてきた足跡を残したい、それが自分の中から出てくる思いなら、私はそれもいいと思います。その思いにトコトン付き合ってください。自分の合点がいくまで、付き合っていけばいいのです。付き合っていって、本当に自分は愚かだったと心の底から気付いていけば、そこには、厳しくて優しい目があることに気付けます。
その目が、「真実の方向へ向きなさい」と伝えてくれていることに、心から気付けます。心から気付くということは、そのメッセージを素直に受け取っていくということです。
もし、私自身に、今もその思いがあるならば、私は、きっとその思いに従って、自分の持てるエネルギーをみんなつぎ込んでいくと思います。現に、私はそうしてきました。今世も途中までそうでしたし、もちろん過去においては、疑う余地はありません。自分の世界を築きたかったと、自分の幸せのために、自分の喜びのために、そして頂点を目指し、ずっと戦いのエネルギーの虜でした。
「行き着くところまで行かないと、絶対に分からない。」
「自分の心で分からなければ、どうすることもできない。」
それが実感としてあります。
そして、その一方で、地獄の底の底の奥底の、もっと奥底から、今世ようやく浮上してきて、今、自分を蘇らせるチャンスをいただいているんだという実感があるから、この二つの教訓をしっかりと活かして、真実の方向にただひたすら邁進です。