2016年06月08日

「愛、自分の中の自分―意識の転回 ver.3―」第8回 7.自分にこよなく愛され、許されて、今がある


「愛、自分の中の自分」(塩川香世 著)第8回目の配信です。
今回は「7.自分にこよなく愛され、許されて、今がある」、ページ数ではP71~P76までの部分です。


7 自分にこよなく愛され、許されて、今がある

「自分にこよなく愛され、許されて、今がある」ということも、実は、形の世界を本物としていては、なかなか理解することはできません。
「自分に愛され、許されている」ということを忘れ去って、そして、知らずにきたのが私達人間だから、苦労して、頑張ってきた人ほど、自分(肉の自分)でやってきた、自分(肉の自分)の力でやってきた、生きてきた、頑張ってきたという思いは強いと思います。
中には、「私達は、愛され、許され、生かされているのですよ、感謝、感謝です」という人達もおられるようですが、そこから流れてくる波動は、多分に宗教臭いです。その人達も、まさか「自分に」愛されている、許されている、生かされているとは理解されていないと思います。自分を愛し、許し、生かすものが自分の中にあるなんて、思ってもいないでしょう。
結局は、感謝、感謝と言いながら、その人達もまた、自分(肉の自分)で生きてきた、自分(肉の自分)の力でやってきた、頑張ってきたと語る人達と変わらないのです。世間では、自力と他力という言葉で、区別しているようですが、その両者は、根っこが同じなのです。
「自分に愛されている、許されている、生かされている」というところの「自分」を知らない心、自分を愛し、許し、生かす「自分」を信じない心が、いわゆる他力の心です。その他力の心が根っこにあるという点で同じなんです。
人間は、目に見える自分(肉の自分)を自分だと思い込んでいるから、当然、その肉の自分のために、努力して、頑張っていきます。
そして、肉の自分が幸せだと感じることや思うこと、嬉しい楽しいと感じることや思うことが、それがそっくりそのまま自分の幸せと喜びに繋がっていくことを信じています。信じているというよりも、それしか知らないのです。肉の自分が今、心で感じている喜びとか、幸せとか、楽しさとかしか知らないのです。
では、他に喜びとか幸せとかがあるのかと言えば、あるのです。
それも肉の自分が今、心で感じているそれらとは、「月とすっぽん」の違いがあります。
それは、「本当の自分との出会い」がもたらす喜びと幸せです。
しかも、肉の自分が心に感じる喜びとか幸せは、そうそう長続きはしないけれど、こちらの喜びと幸せは、実に永遠に続いていくのです。
ただし、目に見える自分を自分だと思っていては、絶対に、本当の自分には出会えません。いいえ、出会えているんだけれど、出会えないように遮ってしまっているということでしょう。そして、そうしているのは、他ならない自分なんです。自分が邪魔をしているのです。目に見える世界しか信じようとしない思いが、本当の自分との出会いを遮り、邪魔をしているのです。
そこで、こう思いませんか。
「本当の自分と出会えない間は、偽りの自分しか知らないということか。それならば、その自分が味わっている喜びと幸せもまた偽りなのか。そして、それならば、本当の自分と出会って味わう喜びと幸せとは、一体どういうものだろうか。ぜひ味わってみたい。」
ということで、本当の自分との出会いを現実のものとしていくためには、その行く手を阻む偽りの自分を、まず、しっかりと認識していく必要があります。
その遮って邪魔をしている自分を知っていくために、「心を見る」という作業をしていきましょう。しかし、その作業は困難を極めます。形の世界を本物と思う土台を崩すことは難しいと痛切に感じていきます。しかし、投げ出さないでやっていきましょう。そうすれば、ようやく、どれだけ反省をしても、土台が切り替わらない限り、ダメだということが分かってきます。だから、やり続けていく以外にないと結論が出てきます。それ以外に、自分を知っていく手立てはないと分かってきます。自分を知らずして、本当のこと、本当の世界は見えてこないことが、それぞれの心で感じてくるのです。
だから、困難を極める作業であっても、遅々として進まない作業であっても、その中にこそ、真の喜びと幸せがあるんだという思いが、段々に確信となって、自分の心の中に響き伝わってくるんです。そうなってくれば、苦しみながらも、自分の中からふつふつと湧き起こってくるこれだ、これだという思いが現実のものとなっていく手ごたえが、さらに自分の背なかを押してくれます。つまり、自分を自分が引導していることを感じながら、次の一歩を踏み出そうとしていくのです。心を見て、そして正しい瞑想を重ねていく確かな喜びの人生が、自分の目の前に広がっていくでしょう。
それは、ひとえに、自分にこよなく愛され、許されて今があるという確かな証拠です。

posted by ユーティーエーブック at 09:37| 奈良 ☁| Comment(0) | 「愛、自分の中の自分」(全24回) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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